砂糖を焦がせば薫る日々

サイト更新と読み物を少々

04月« 2018年05月 /  12345678910111213141516171819202122232425262728293031»06月

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

小ネタ・プレゼントは何がいいですか


※いろいろ卑猥な話をしているので内容的にはR-15くらいです。たぶん。



「先輩、誕生日プレゼントは何がいいですか?」
 それは下校途中に尋ねた、何気ない質問だった。
 1つ上の先輩と付き合い始めたのが2ヶ月前。まだプレゼントなんて贈ったことはないけど、誕生日にそういうことをするのはごくごく自然なことだと思う。
 こっそり用意して、当日にさぷらいずぷれぜんとふぉーゆー、というのも嫌いではないのだけど、ここはきちんと確認をしておくのが一番だと考えたのだ。せっかくの誕生日だし、変な失敗はしたくなかった。
 すると先輩はひどく驚いた様子で、私の顔をまじまじと見つめた。
「え、ぼくの誕生日、覚えててくれたの?」
 それはもちろん。
「あと2週間ですよね。何かほしいものとかあったら聞いておきたいんですけど……」
「うーん」
 あごに軽く手を当てて、先輩が考え込む。
 その顔は幼く、年上なのにあまり大人びた印象を受けない。笑うとその幼さがますます強調されて、なんだか子供っぽく見えることもたびたびだ。でもそんなところがなんだかかわいくて、おっとりした性格も一緒にいると心地よくて、こうして並んで歩いているだけで私はつい頬を緩ませてしまう。
 うんうんうなりながら考えている先輩に、私は助け舟を出した。
「高価なものは無理ですけど、えっと、そうですね、4桁で収まるくらいなら、なんとか大丈夫だと思います」
「いや、別に高いものはいらない。森下さんからもらえるものなら、なんでもうれしいし……」
「なんでもって、そういうのが一番困るんですよ。何かありませんか?」
「ええと、そうだなあ……」
「ほしいものがないなら、してほしいこととか」
 すると先輩は、私を再び凝視した。
 さっきよりも驚きが大きいように見える。
「……森下さん。そんな危険な言葉を口にしたらだめ」
「え?」
 何か変なことを言っただろうか。
 たとえばどこに行きたいとか、何かを作ってほしいとか、そういうのでもかまわないということを言いたかったんだけど。
 先輩はケーキ好きかな。ケーキ作りには結構自信があるのだ。
「……森下さんは、ぼくがはじめての彼氏だって言ってたよね」
 突然、そんなことを言い出した。
「半年前まで中学生だったんですよ。はじめてに決まってるじゃないですか」
「いや、男女交際なんて最近は小学生でも珍しくないらしいけど」
 そんなの都市伝説ですよ。おかしな先輩。
「今だって、ちょっと私には早いのかなって思うときがありますし」
「……そんなことはないと思うよ」
 そうかなあ。
「私、彼女らしいことできてますか?」
 先輩の隣にはいたいと思うけど、隣にいるために必要なことってなんだろう。彼氏彼女の関係を続けていくためには何が必要なんだろう。
「森下さん、ぼくのこと好き?」
「え、それはまあ……」
 はっきり言葉にするのはかなりの勇気がいるので、ちょっと言えないけど。
「それがあれば十分だと思うよ」
「それって……その、気持ちがあればってことですか?」
「それ以外に何が必要なの?」
 当たり前のように先輩は言った。
 そうなのかな。でも、そっか。そうだったらいいな。
「……話が逸れた。ぼくがはじめての彼氏なら、森下さんはつまり、男のことをまったくもってわかってないってことになるよね」
「なんですか、急に」
 男のこと?
「さっきみたいなことを簡単に口にしたらだめって話」
「さっきみたいなって?」
「だから、何かしてほしいことはあるか、って」
 ああ。
「だって、物がだめなら行為を贈るしかないじゃないですか」
 すると先輩はますますぎょっとした顔になった。
「そういう言い方がまずいんだよ」
 どうして。
「意味がわかりません。何がいけないのか、はっきり言ってください」
 ため息をつかれた。
 それから先輩は少し待って、と再び考え込んでしまった。
 交差点に差し掛かって信号待ちをする間も、先輩はいろいろ思案していて、なんだかおもしろくない。何を考えているんだろう。とにかくまずは何がいけないのか、ついでに希望のプレゼントはなんなのか教えてほしい。
「思春期の男子がほしいものなんて、一つしかないと思うよ」
 横断歩道を渡ったところで、不意に先輩が口を開いた。
「え?」
「そんなの、その、……エロいことしか考えないって」
「……え?」
 幼い顔が微かに赤かった。
 私の顔も熱くなった。
 え。いや、それは、
「……私が相手でも?」
 先輩は怪訝そうにこちらを見た。
「それ、どういう意味」
「だ、だって、だってわたし、つい半年前まで中学生だったんですよ? 別に美人じゃないし、背も低いし、む、胸だって大きくないし」
「全然わかってない!」
 怒られた。なんで。
「ぼく、こう見えても中身は健全な男子高校生だから。彼女ができたらいろいろ妄想くらいするし、いやできる前から妄想してたし、実際に森下さんみたいなかわいい彼女ができたら悶々とするに決まってる」
「……」
 どう反応すればいいのだろう。
 そういう目で、見られているってこと?
 男の人って、もっとこう、コンビニに並んでいる週刊漫画の表紙を飾るようなグラビアアイドルみたいに、色っぽい人に欲情するものだと思っていたのだけど。
 視線を自分の胸元に落とす。
 平坦ってほどじゃないけど、房と呼ぶには実りが足りない。
 ……もしかして、
「先輩はロリコンなんですか?」
「何を急に言い出すんだろうねこの子は」
「じゃあ小さいのが好みなんですか?」
「胸を見ながらそんなことを言うのはやめなさい」
 わけわかんない。
 率直に尋ねてみた。
「先輩は、私の体でも欲情するんですか?」
「……森下さんって、怖いもの知らずだよね」
 そんなことはない、と思う。
「真面目に聞いてるんですよ。大事なことなんです」
「どう大事?」
「……」
 そんなの、そばにいたいからに決まっている。
 どうすればずっと先輩のそばにいられるか、そのためにはそういうことも知っておかないといけないと思うから。
 でも、それを言うのは勇気がいる。
 想いをはっきり口にするのは勇気がいる。
 そんな葛藤を察してくれたのか、先輩は先に答えてくれた。
「欲情はするよ」
 それを聞いても、私は心の判断がつかなかった。うれしいのか、それとも怖いのか、自分でもよくわからない。両方かもしれない。
「……具体的に、教えてもらってもいいですか?」
「ほんと怖いもの知らずだなあ……」
 困ったように頭をかく先輩。恥ずかしいのか、あさっての方向へ目を逸らした。
「したいことをそのまま言うのは、ちょっとはばかられるよ」
「言えないわけじゃないんですよね」
「聞いたら引くと思うよ」
 少し嫌な予感がした。
 でも聞きたい欲の方が勝った。
「聞きたいです」
 苦笑いとともに、先輩は私の耳元に口を寄せた。
 吐息が耳朶を掠めて、

「――森下さんの裸が見たいし体に触りたいし肌を舐めたいし胸を揉みたいし唇を奪いたいしお尻を掴みたいし胸を揉みたいし脚を撫でたいし胸を揉みたいし抱き合ってつながって気持ちよくなりたいし同じベッドで一緒に一晩過ごしたいし」

「うわあああああああああああああ!!!!!」
 自分でもそんな声が出るとは思っていなかった。あわてて先輩から跳び退って離れる。うわ、自分から先輩の隣を離れるなんて。
「な、な、な」
 声が震える。
 先輩はため息をついた。
「だから言ったのに」
「も、もっとオブラートに包んでくださいよ!」
「はっきり言わないと、森下さんわかってくれない気がしたから」
 すみません、そうかもしれません。
 いや、それはもちろんそういうことを想像したことがないといえば嘘になるけど、いくらなんでもそんな生々しく言葉にされると、もうどうしていいかわからなくなる。
「いやいや、まだまだ抑え気味だよ」
「まだ!?」
「もっといやらしい言葉なんて山ほどあるし、そういう言葉はできるだけ避けたし」
「……お気遣いありがとうございます」
 この数分で、先輩のイメージが大きく変わってしまった気がする。
「ていうかどんだけ胸揉みたいんですか」
「知りたいの?」
「すみません知りたくありません」
 三度も重ねてのたまう時点で大体察しがつく。
 そんなに大きくないのに。
「好きな子の体だからね」
「それ、喜んでいいんですか?」
「逆に森下さんは、ぼくにしてほしいことないの?」
 思ってもみなかったことを言われた。
 そっか、考えてみれば、逆の場合もあるのか。
 たとえば私から先輩の体に抱きついたり、服を脱がしたり、肌を……。
 ちら、と横目で窺う。
 先輩の体は男子にしては小さい方で、たぶん160ちょっとくらいしかない。だから男っぽさみたいなものはあまり感じないんだけど、手のごつごつした部分とか腰のラインとか見てると、やっぱり男子だなあと思わせるところはあるわけで。
 触ってみたいかどうか聞かれると、それは触ってみたいと思う。
 言えないけど。
「えっと、手を握ったり……」
「素直じゃないなあ」
「……そ、そんなこと」
「人の体をじろじろ嘗め回すように見ていて、それはちょっと無理があると思うよ」
 気づかれてました。ですよね。
 とはいえ、「先輩の裸が見たいです」なんて、当たり前だけど言えるわけもなく、
「……………………き、キス、とか」
 それが限界だった。
 でも、先輩の顔は予想外に赤くなっていた。
「……先輩?」
「……それを、誕生日プレゼントにもらっていい?」
「……」
 どう答えていいかわからなくて、あーとかうーとか返事ともつかないか細い声しか出せなくて、1分ほど過ぎてからやっと、小さくうなずいた。
 うなずいて、そのまますぐには顔を上げられない。
 キス。キスかあ……。
 あ、でも、
「……あの、それってプレゼントになるんですか?」
「え?」
「だ、だって、先輩がしたいことって、さっきの……」
 さっきの、なんやかんや。
「唇も奪いたいって言ったよ」
「でも、私がしたいことでもあるわけで」
「お互いしたいことならそれでいいじゃない」
「それじゃ悪いです」
 気を遣ってもらってるみたいで。
「森下さんには、他のことはちょっとハードル高いんじゃないかなあ」
 たしかに裸を見せるとか、肌を舐められるとか、ましてや、その、一晩ベッドの上で……なんて、そんなの無理です。はい。
 だけど、
 その、
「……胸、触ります?」
 やっとのことで顔を上げて問いかけると、先輩の顔が怖いくらいに真剣になった。
 あ、やば、すごいこと言ったかも。
「え、あ、そ、その、ふ、服の、う、上から触る、くらいなら、その」
「……」
 先輩はぶんぶん首を振って、それから大きく深呼吸をした。
「……恐ろしい子だな……」
 なんで。
「森下さんが他の男と付き合わなくて本当に安心してる。最初の彼氏になれて心底安堵してる」
 どういう意味ですか。
 なんだかすごく失礼なことを言われている気がする。
「あのさ」
「はい」
「本当に触っていいの?」
「は、はい」
「暴走して胸だけじゃ我慢できなくなる可能性もあるけど、いい?」
「は!?」
「キスして、胸触って、なんかもうそのまま一直線に最後までいく可能性も無きにしも非ずというか」
「そ、それは我慢してください」
「どうかな」
「嘘でもいいから約束してくださいよ!」
「嘘でもいいの?」
「いや、だめ! すみません、やっぱりさっきの無しで!」
「我慢するから。一所懸命我慢するから」
「真剣すぎて怖いです!」
 ああもう、なんでこんなところで漫才やってるんだろう。
 先輩は小さく笑った。
「でも、触りたいと思うのは本当だし、ぼくも結構どうしようもないこと考えてるってことだけは知っておいてほしいかな」
「……男の人って、そんなにえっちなことが好きなんですか?」
「人によるけど、概ね」
 ごめんね、と先輩は手刀を切った。
 まあ、聞いたのは私だし、ごまかさずに答えてくれたというのは、それだけ私に気を許しているということかもしれない。
 だから、別にいいかな、と思う。
 先輩がそういう目で私を見ていても、嫌じゃない。
 いきなり変なこと言われたり、変なことされたらびっくりするかもしれないけど、それでも前もって知っていたら、隣にいたくないとまでは思わないはずだから。
 今はせいぜいキスが限界だけど、そのうちそれ以上も大丈夫になるかもしれないから。
「……あの、私も、がんばりますね」
「え?」
「先輩がその、我慢しなくても済むように、がんばります」
「…………」
 先輩は立ち止まると、その場で頭を抱え込んだ。
「ええと……」
「……ほんと恐ろしいな」
「え?」
「いや」先輩は頭を振ってわざとらしく咳払いをした。「……森下さんはがんばろうとすると変な方向に行きそうだから、そのままでいいよ。いや、言動はそのままだとすごく心配だから、どうにかしたいけど」
 私、そんなに変な子に見えるの?
「変っていうか、変なことされそうっていうか」
「なんですかそれ」
「むしろ変なことしたくなるっていうか」
「……」
 いや、先輩以外にはこんなこと言いませんよ?
「そんなこと言われたら、こっちは我慢するしかないんだけどなあ」
 先輩は嘆くような口ぶりで、そんなことを言った。
 その言葉の意味はよくわからなくて。
「むー」
 男の人のことをわかるには、まだまだ時間がかかりそうだ。



          ※      ※      ※


8月1日ということで、毎年恒例の「おっぱいの日」ネタです……が、あまり胸は関係ないですね。すみません。

天然キャラを書こうと思って書いてみたんですけど、うまく書けてるでしょうか。ちょっとわざとらしすぎるでしょうか。

小ネタとはいえ、難しいですね。天然。



かおるさとーでした。
スポンサーサイト

*** COMMENT ***

コメントの投稿

管理人にだけ読んでもらう

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。